人面屋敷の惨劇*石持浅海

  • 2011/11/16(水) 07:35:53

人面屋敷の惨劇 (講談社ノベルス)人面屋敷の惨劇 (講談社ノベルス)
(2011/08/04)
石持 浅海

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東京都西部で起きた連続幼児失踪事件。我が子を失った美菜子はじめ6人の被害者家族は、積年の悲嘆の果てに、かつて犯人と目された投資家、土佐が暮らす通称「人面屋敷」へと乗り込む。屋敷の中で「人面」の忌まわしき真相を知った親たちの激情は、抑えがたい殺意へと変容。さらに謎の美少女が突然現れたことで、誰もが予想すらしなかった悲劇をも招き寄せていく。論理(ロジック)×狂気(マッドネス)。気鋭のミステリー2011年進化型。


「綾辻館」ならぬ「石持館」、と扉に著者の言葉が載っているが、たしかに綾辻氏のおどろおどろしさとはいささか趣を異にする「館もの」である。綾辻氏の館が、そこだけで完結し、外の世界を寄せつけない感があるのに対し、石持氏の館は外の世界を連れて入り込んでいる感じがする。美菜子という、夫を亡くしたあとひとり息子を内心疎んじた負い目を抱え、それでも息子を探す女性の複雑な心理描写を交えながら彼女の目で事件を語らせたことで、読者にさまざまな展開を期待させる効果があったように思う。実際にわたしも、いなくなった子どもたちがこっそり現れて親たちに復讐する場面などを想像したりしたのだった。人それぞれに愉しみ方があるような一冊である。

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