春から夏、やがて冬*歌野晶午

  • 2011/11/17(木) 07:38:57

春から夏、やがて冬春から夏、やがて冬
(2011/10)
歌野 晶午

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スーパーの保安責任者の男と、万引き犯の女。偶然の出会いは神の思い召しか、悪魔の罠か?これは“絶望”と“救済”のミステリーだ。


「ラスト5ページで世界が反転する!」という帯文はない方がより愉しめたのではないか、と思う。確かに惹きつけられるフレーズではある。だがそれ故に半分読者の愉しみを奪っていると言えなくもない。心に傷を負ったスーパーの保安責任者の男・平田と、居場所を見つけられずに自分から傷ついている若い女・末永ますみの、ひとときの心の通い合いを描きながら、それぞれが傷ついたわけを探るような物語である。やさしさなのか、哀れみなのか、自己満足なのか。おそらくそれらすべてが入り交じったひとときだったのだろう。誰も救われず、なにも解決せず、空しさとやるせなさばかりが残る一冊だった。

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