お月さん*桐江キミコ

  • 2011/11/18(金) 19:39:12

お月さんお月さん
(2007/02/16)
桐江 キミコ

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あまりにも小さくて、かなしくて、さびしい。でも、泣きたくなるほど、いとおしい。こんなふうでも、人は生きたいものなのだ。淡い人生の味がつまった珠のような短編集。


表題作のほか、「モーニングセット」 「クリームソーダ」 「金平糖のダンス」 「キツネノカミソリ」 「薔薇の咲く家」 「葬式まんじゅう」 「愛玉子ゼリー」 「デンデンムシと桜の日」 「寒天くらげ」 「アメリカン・ダイナー」 「三月うさぎ」

取り立ててなんということもないことごとが、至極穏やかに綴られている。ほんの少し世間が考える標準からずれていたりもするが、だからといってどうということもない、ああこんな人がいたなぁと、誰にでも思い当たるような人びとが主人公である。そして、表題作はもちろん、どの物語の中にもいろんな形の月が出てくるのが一興である。ちょっぴりもの哀しくてやさしく、それでいてなにか後ろめたいような気持ちにさせられるのはどうしてだろう。小さくても大切な人びとに会える一冊である。

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