不祥事*池井戸潤

  • 2012/01/14(土) 17:12:52

不祥事不祥事
(2004/08)
池井戸 潤

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事務処理に問題を抱える支店を訪れて指導し解決に導く、臨店指導。若くしてその大役に抜擢された花咲舞は、銀行内部の不正を見て見ぬふりなどできないタイプ。独特の慣習と歪んだ企業倫理に支配されたメガバンクを「浄化」すべく、舞は今日も悪辣な支店長を、自己保身しか考えぬダメ行員を、叱り飛ばす! 張り飛ばす! 痛快! 新しい銀行ミステリーの誕生!


まさに「痛快!」である。人呼んで「狂咲」こと花咲舞が、多少場の空気を無視した正義漢ぶりで、病んだ銀行の悪弊を片っ端から投げた押していくのである。と書くと、舞のことをどんな豪傑かと思われるかもしれないが、うら若き乙女であり、仕事に誇りを持った優秀な銀行員なのである。なんてカッコよすぎるのだろう。思わず惚れてしまいそうなほどである。それに引き換え舞と相馬――という先輩と組んでいるのである――にやり込められる保身しか頭にないような男どものなんと情けないことか。舞と一緒にいると相馬がぼんやりしたただのおじさんに見えてしまいがちだが、彼の懐の深さもなかなかのものである。舞の言動にいつもひやひやしてはいるが、適切なサポートで彼女を引き立ててもいるのである。舞ばかり目立っているが、いいコンビである。小気味の好いキャラクターをまたひとり見つけた一冊である。

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