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凍雨*大倉崇裕

  • 2012/04/09(月) 07:31:51

凍雨凍雨
(2012/03/16)
大倉崇裕

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凍雨―。降られると、雪より辛い、冷たい雨。地元のタクシー運転手の声が、深江の脳裡にこだまする。標高一九二二メートル。福島県北部に位置する単独峰、嶺雲岳。この山を久しぶりに訪れた深江信二郎は、亡き親友植村の妻真弓と、遺児佳子の姿を垣間見る。一方、無頼の男たちを束ねる遠藤達也も入山。彼らを追う中国人組織も現れ、激烈な銃撃戦が開始された。深江と母娘は、その争いに巻き込まれてしまう。山が血で染まっていく…。奴らの正体は?深江と母娘の過去の因縁とは?気鋭が冒険小説に新境地を拓いた、傑作長篇。


山が丸ごと戦場と化したような凄絶な物語である。植村の命日に事故現場に参るために山を登り始めた妻・真弓と娘・佳子、そして(別行動だが)親友の深江だった。これをひと区切りとし、新しい毎日に踏み出すはずだったのだが、それはそう簡単なことではなくなってしまったのだった。中国マフィアと遠藤たちのグループの死闘に巻き込まれ、結果的には両グループ対深江、という構図になってしまう。深江の群を抜く思慮深さと山を知悉した行動力の的確さとその勇気に舌を巻き、遠藤たちの統一感はないが人を殺すことに躊躇いのない行動にいらいらさせられ、一瞬一瞬の判断にはらはらさせられ続ける。肩に力が入り、気の抜けない一冊だった。

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