ゆくとしくるとし*大沼紀子

  • 2012/05/16(水) 16:53:08

ゆくとし くるとしゆくとし くるとし
(2006/11/22)
大沼 紀子

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年末、久しぶりに帰省すると、そこには母と、オカマがいた。そんな予想を覆す我が家の風景に違和感を覚えながらも、閉じこもりがちな感情が、明るくたくましいオカマのお姉さんと、母のいつもと変わらぬ愛で、少しずつ開いていく・・・。第9回坊ちゃん文学賞大賞受賞作。


表題作のほか、「「僕らのパレード」

大沼さんの紡ぎだす物語は、とりたてて派手な出来事はないが、日々の暮らしの些細な引っ掛かりや、胸に抱え込んで凝ってしまった事々をじんわりと温めて溶かすような物語なのだと、この二編を読んで改めて思う。そしてやはり、足りないもののことを嘆くより、手の中にあるものを慈しむ方がずっとずっと満ち足りた心持ちになれるんだよ、と語りかけられているような一冊である。

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