殺気!*雫井脩介

  • 2012/05/27(日) 17:04:56

殺気!(トクマ・ノベルズ)殺気!(トクマ・ノベルズ)
(2012/01/18)
雫井脩介

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エスカレーターで上るにつれ、急に回りの温度が変わったような、不快な熱気を肌に感じとっていた。「下りよ。何か、嫌な予感がする…」女子大生の佐々木ましろは、十二歳のとき、何者かに拉致監禁された経験がある。無事に保護されたが犯人は不明のまま。今、その記憶はない。ひどいPTSDを抑えるため、催眠療法で封じ込めてしまったからだった。そのためなのか、ましろには特異な能力―周囲の「殺気」を感じ取る力が身についている。アルバイト先の自然食品店では、その能力のおかげで難を逃れたこともある。タウン誌記者の丸山次美はましろに興味を持ち、過去の事件を調べ始める。失われた過去とともに現れたのは、驚愕の事実と、幼き友情の再生であった。青春ミステリーの傑作。


気軽に読める一冊ではある。主人公の少女・ましろの殺気を感じる能力のことや、拉致監禁され、PTSD治療のために記憶を封じられたいきさつのことや、かつての親友・理美子の父の死のことなど、興味を惹かれる要素が盛りだくさんで、それらがどんな風に一本の流れになっていくのか知りたくてぐんぐん読める。ただなんというか、ひとつひとつのエピソードに上滑り感もあるような気がして、読み方も表面的になってしまうのが少し残念だったかもしれない。

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