玩具店の英雄――座間味くんの推理*石持浅海

  • 2012/06/01(金) 12:58:35

玩具店の英雄 座間味くんの推理玩具店の英雄 座間味くんの推理
(2012/04/18)
石持 浅海

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科学警察研究所の職員・津久井操は、事件を未然に防げるかどうか、の「分かれ目」について研究をしている。難題を前に行き詰まった操が、大学の大先輩でもある大迫警視正にこぼすと、ひとりの民間人を紹介された。「警察官の愚痴を聞かせたら日本一」と紹介された彼は、あの『月の扉』事件で活躍した“座間味くん”だった―。


座間味くん、今作でもたぐいまれなる洞察力&推理力である。しかも甲走ったところも気負ったところもなく、いつもあくまでマイペースでいながらさりげなくちゃんと他人のことに気を配れるというできた人物なのである。なんていい人なんだ、座間味くん。酒の席での愚痴のような話――話す方は何らかのサジェスチョンを期待しているのだが――から、目のつけどころの間違いや、思い込みによる勘違い、見過ごされた真実をさらりと暴露し、しかも、渦中の人物の立場や心情まで慮って対応策を考えてしまうのである。座間味くんについ見とれてしまうが、語り手の津久井や大迫の存在があればこその一冊であるのも間違いない。

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