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遭難者の夢*天童荒太

  • 2004/08/25(水) 14:24:06

☆☆☆☆・


――『家族狩り 第ニ部』

 あの日の光景をふり払おうと酒に溺れていた浚介は、
 さらなる痛みを味わう。
 游子は少女をめぐり、その父親と衝突する。
 亜衣は心の拠り所を失い、摂食障害から抜け出せずにいる。
 平穏な日々は既に終わりを告げていた。
 そして、麻生家の事件を捜査していた馬見原は、
 男がふたたび野に放たれたことを知る。
 自らの手で家庭を破壊した油井善博が――。
 過去と現在が火花を散らす第二部。

                       (文庫裏表紙より)


自分がどうやって生きていられるのかということを 真剣に突き詰めようとすればするほど 偽善と矛盾に苛まれることになる、ということを ほとんどの大人は気づいているにもかかわらず 気づかない振り 見ない振りをしているのが現状ではないだろうか。そんな偽善や矛盾に真っ向から目を合わせてしまった者の苦しみは 抜け出すことのできない無間地獄のようなものであろうことは 想像に難くない。そして そんな風に苦しむのはたいていの場合 純粋な若い者たちなのであり それ故苦しみはより深いものとなるのであろう。
世渡りが上手くなってしまった大人たちには そんな若者たちの心の叫びが もはや届かなくなっているのかもしれない。

浚介は どうもまた厄介な場所に近づいているようだし、馬見原は 何かに引っかかっているようだ。第三部での展開が気が重くも楽しみである。


 # 第一部 『幻世の祈り』 の覚え書きは 8/17に。

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