箱庭旅団*朱川湊人

  • 2012/07/04(水) 17:17:51

箱庭旅団箱庭旅団
(2012/06/08)
朱川 湊人

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「とにかく旅に出ることだ。世界は本当に広い……今のこの世界だけでも広大無辺なのに、昔や未来、作られたものの世界まで数に入れたら、本当に無限だよ」――それぞれの世界を「箱庭」に見立て、短篇の名手が紡いだ物語が詰まった一冊。
白馬とともにさまざまな世界を旅する少年は、物語にあふれた世界で、さまざまな「出合い」を経験する。“出る"と噂の部屋(「ミッちゃんなんて、大キライ」)、みんなから愛された豆腐売りの少年(「黄昏ラッパ」)、世の中の流行を決めるマンモスに似た生き物(「神獣ハヤリスタリ」)、ある女性編集者の不思議な体験(「『Automatic』のない世界」)、雨の日だけ訪れる亡くなった孫(「秋の雨」)、ぐうたらな大学生二人の奥義(「藤田クンと高木クン」)、サンタクロースにそっくりの獣医(「クリスマスの犬」)などなど。
『かたみ歌』で読者の涙を誘った直木賞作家による、16篇のショート・ストーリー。懐かしくて温かい気持ちになれる連作小説集。


不思議な心の旅の物語。一話完結で、大枠だけある連作かと思いきや、最後近くでぱたぱたと一本の太い流れに収束していくのが小気味よい。誰にもありそうで、誰かに話すと「あるある」と盛り上がりそうで、それでいて自分だけの特別な心の旅である。共有しているのだが固有のものであるという不思議な感覚も味わえる一冊である。

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