八月の魔法使い*石持浅海

  • 2012/07/19(木) 17:01:36

八月の魔法使い八月の魔法使い
(2010/07/17)
石持 浅海

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危険だ。関わりあいになるのはあまりにも危険だ。でも、恋人からのSOSに応えないわけにはいかない。入社7年目の若きサラリーマン、経営陣を揺るがす“あってはいけない文書”の謎に挑む!役員会議室と総務部で同時に提示された“工場事故報告書”が、混乱を引き起こす!これはいったい何だ?たまたま総務部に居合わせた草食系サラリーマンは、役員会議室で事件に巻き込まれた恋人を救えるのか。


祖母の墓参りに栃木に来ている深雪と恋人の拓真が、一年前のお盆に会議室と総務部で同時に進んでいた「工場事故報告書」にまつわる騒動を思い出しているところから物語は始まる。あれはなんだったのだろう。松本係長と大木課長の二人の動機ははっきりとはわからないながら、あのことを境に会社と、そして何より拓真の心構えが変わったのだった。
誰がどんな目的で何をどう仕掛けたのか。会議室で困っている深雪を助けるために、断片的にしか知りようのない会議室での様子と、すでに知っていることから、拓真が答えを導き出せるかを松本に試されていた。それに応えようとする拓真は、かつてないほど会社員として熱くなったのだった。拓真の事と事とを結びつける想像力の見事さは出来過ぎの感が無きにしも非ずだが、ほんの些細な引っ掛かりをひとつも無駄にせずに理路整然と真実を導き出す過程は、読者もともに心躍る体験だった。ぐいぐい惹きこまれる一冊である。

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