花のさくら通り*荻原浩

  • 2012/08/12(日) 17:02:43

花のさくら通り花のさくら通り
(2012/06/26)
荻原 浩

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シャッター通りまであと一歩。さびれた商店街の再生プロジェクトを請け負ったのは、和菓子屋の2階に移転してきたばかりの超零細&倒産寸前の広告制作会社だった…。『オロロ畑でつかまえて』『なかよし小鳩組』に続くユニバーサル広告社シリーズ、待望の第3弾。


ユニバーサル広告社シリーズの最新作である。なんと、地味な駅の、一応商店街と呼べる通りを抜け、シャッターが閉まった店も多い寂れた通りに入り、社員一同(杉山・村崎・猪熊)が全身を不安に包まれきったところで到着したのは、昔ながらの和菓子屋の前。果たしてその二階が、ユニバーサル広告社の新オフィスなのだった。しかも成り行きで、杉山はその三階に住みこむことになってしまうのだった。
シャッター商店街まであと半歩、という現状を打開する意思があるのかないのか、商店会の長老たちの事なかれ主義や排他主義と、二代目三代目の商店主たちとの噛み合わなさは、あまりにもお約束通りなのだが、ここだけではなくどこにでもあることのようで、何とももどかしく歯がゆい思いで堪らない。採算度外視で商店街の再生を請け負った杉山たちの苦労も容易に想像ができる。杉山の離婚した妻と一緒に暮らすひとり娘との関係や、寺の息子と教会の娘の恋物語など、盛りだくさんで、どう収拾をつけるのかと思ったが、どの要素もそれなりの場所にピタリとはまって、大団円を迎えるのはお見事である。老若の確執がすっかり解消したわけではないので、これからもいろいろごたごたがあるかもしれないが、修行中の寺の跡取り・光照が帰ってきたらまた愉しいことになりそうな気がする。ユニバーサル広告社はきっとしばらくここに腰を落ち着けるのだろうな、と次を期待したくなる一冊である。




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花のさくら通り 荻原浩著。

《★★★☆》 ユニバーサル広告社シリーズ第三弾。 経費削減のため都心から都落ちした彼らが越してきたのは、ちょっとさびれたさくら通り商店会にある、和菓子屋、岡森本舗の二階

  • From: じゃじゃままブックレビュー |
  • 2013/02/04(月) 22:39:32

この記事に対するコメント

まさにここに腰をすえて欲しいですね~。
確かに、個々に抱えてる問題はそのままだったりするので、そこがまた妙にリアルに想像できちゃったりして、光照が帰ってくる三年後にまた会いたいですね。

  • 投稿者: じゃじゃまま
  • 2013/02/04(月) 22:41:30
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三年後、ぜひ書いてほしいですよね~。
ユニバーサル広告社も、ここでならまだまだやることがありそう。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2013/02/05(火) 06:49:22
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