花宴*あさのあつこ

  • 2012/08/14(火) 14:02:45

花宴花宴
(2012/07/06)
あさのあつこ

商品詳細を見る

小太刀の名手である紀江は、藤倉勝之進を婿に迎えるが、かつて思いを寄せていた三和十之介への募る思いを消し去ることはできなかった。やがて、父の死をきっかけに夫が自分を避け始めるが、それは自らの業の深さゆえと自分を責めるしかなかった。しかし、ある朝、何者かに斬られ、血まみれとなった勝之進が告げたのは、藩内に蠢く禍々しい策謀の真実だった! 今さらながら夫への献身を誓い、小太刀を手にした紀江だが……。男女の悲哀を描く、感動の時代小説。


時代小説とは言え、男女の心の機微は現代と何ら変わることはない。ただ背景にあるものが、家を背負い、名を、誇りを背負って、現代とは比べるべくもなく過酷で真剣であり、命さえをも張ったものであるというだけである。そして、それこそが望まぬ擦れ違いや不幸を生むことになるのも確かなことなのである。本作では、不幸を嘆くだけではなく、それを上回る大きく包み込むような愛が感動を呼ぶ。だが、犠牲にされたものもまた多いのである。切なく哀しく、そして愛にあふれた一冊である。

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事に対するコメント

私、時代小説は少し苦手なのですが
あさの氏、宮部氏、そして藤沢周平氏のもは
すらすらと惑うことなく入りこめるのです
そしてこの「花宴」、実に見事でしたねぇ
紀江の十之介への尽きぬ思いと勝之進への愛情
そして父・新佐衛門との関係性と対話
無駄のない研ぎ澄まされた言葉で
的確に表現していくうまさと全体の構成力
最後の十之介との再会など
ドラマチックでどっぷり「あさのワールド」に浸かりました

  • 投稿者: チョロ
  • 2012/08/15(水) 11:05:30
  • [編集]

時代小説であって
時代を超えた世界観だからでしょうか。
惹きこまれましたね。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2012/08/15(水) 11:19:11
  • [編集]

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する