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月と雷*角田光代

  • 2012/08/18(土) 10:26:21

月と雷月と雷
(2012/07/09)
角田 光代

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不意の出会いはありうべき未来を変えてしまうのか。ふつうの家庭、すこやかなる恋人、まっとうな母親像…「かくあるべし」からはみ出した30代の選択は。最新長篇小説。


一般社会において暗黙のルールとされているさまざまなこと。それらから外れたところで生まれ育った人間は、どうやって自分と社会との折り合いをつけていくのか、あるいは折り合いをつけないまま、生きづらい世の中を渡っていくのか。そんなことを考えさせられる一冊だった。ルールから外れていることに無自覚でないだけ、主人公たちの苦悩と逡巡の深さが悩ましい。どこからやり直せば普通の人生を歩めたのか、と起点を探し求める気持ちが痛いが、終盤で奇跡のようにつぶやかれる「はじまったら終わることはない」というひと言が、妙に腑に落ちるのである。いまも二人は何かをあきらめながら切り抜けようともがいているのだろう。

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