逃亡者*折原一

  • 2012/09/27(木) 20:04:47

逃亡者逃亡者
(2009/08)
折原 一

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持ちかけられた交換殺人に乗ってしまい、知人の夫を殺した罪で逮捕された友竹智恵子だが、警察の不手際で脱走に成功。顔を変え、身分を偽り、日本全国を逃亡し続ける。智恵子を追いかける警察の執念。時効の壁は15年。逃亡劇は驚愕の結末へ突き進む。


518ページというボリュームを感じさせず一気に読ませる一冊である。友竹智恵子の逃亡生活が物語のほとんどを占めるが、緊張感と咄嗟の判断で紙一重のところで追手(警察と夫)から逃れるのを見続けると、なにやら逃亡を応援したい心持ちになってくるから不思議である。智恵子の人好きのする憎めないキャラクターによるところも大きいのかもしれないが。このまま逃げ切って時効を迎えるのか、それとも最後の最後につかまってしまうのか、と読者を緊迫した気分にしておいて、そこには思ってもいなかったどんでん返しが準備されているのだった。思い返せば、ところどころで「ん?」と思った箇所がなくはなかったのだが、深く突き詰めることなく読み流してしまっていたのだった。それこそがヒントだったというのに。思い込みは怖いと知っているつもりなのに、まんまと騙されてしまって、うれしくもある。読み応えのある一冊だった。

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