微笑む人*貫井徳郎

  • 2012/10/10(水) 07:10:15

微笑む人微笑む人
(2012/08/18)
貫井 徳郎

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エリート銀行員の仁藤俊実が、意外な理由で妻子を殺害、逮捕・拘留された安治川事件。
犯人の仁藤は世間を騒がせ、ワイドショーでも連日報道された。
この事件に興味をもった小説家の「私」は、ノンフィクションとしてまとめるべく関係者の取材を始める。
周辺の人物は一様に「仁藤はいい人」と語るが、一方で冷酷な一面もあるようだ。
さらに、仁藤の元同僚、大学の同級生らが不審な死を遂げていることが判明し……。
仁藤は本当に殺人を犯しているのか、そしてその理由とは!?

貫井氏が「ぼくのミステリーの最高到達点」と語る傑作。
読者を待つのは、予想しえない戦慄のラスト。


最初から最後までリアルである。ノンフィクションだと言われれば、何の疑いも抱かずに納得してしまいそうだ。ある殺人事件の被疑者(仁藤)のことを、彼の物語を書こうとする小説家が、彼を知る人々に取材し、真実の仁藤を浮かび上がらせようとするのである。少しずつ仁藤の真の姿が明らかになり、事件の隠された真実が暴かれる、というストーリーを、つい期待してしまうが、現実はなかなかそう思い通りにはいかないものである。そして本作も、そんな期待には全くと言っていいほど応えてくれない。それがもどかしくもあり、どうしようもない現実を見せつけられるようでもあって、見事である。著者自身も執筆しながら、スッキリ真相を解明したい欲求に駆られなかっただろうか、と思わず想像してしまうような一冊である。




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微笑む人 貫井徳郎著。

《★★★★☆》 川で水難事故が起きた。川で女性と子供が溺れ、それを救助した男性。最初は、それだけだった。 ところが、この事故が世間を揺るがす大事件になる。 亡くなったのは...

  • From: じゃじゃままブックレビュー |
  • 2013/04/19(金) 17:02:14

この記事に対するコメント

コワかったですねぇ(淀川長治風)

でも現実にこんな話は、ありそうで
そのほうがもっとコワいんですすが…

貫井さんらしくもあり
いままでにない「貫井徳郎」が出てきたようでもあり
スリリングな小説に感謝です

  • 投稿者: チョロ
  • 2012/10/10(水) 15:30:07
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タイトルが「微笑む人」なだけにコワいですね。
そしてラストの彼女の存在が、またコワイです。

おっしゃるとおり
貫井さんらしくないようでいて、これぞ貫井さん!と思える一冊でした。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2012/10/10(水) 16:38:25
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私の中ではこれぞ貫井さん!なんですけど、どうにももやもやとなにか残るんですよね~、それが貫井さん。
ふらっとさんの仰る通り、書いていてはっきりさせたいって思わなかったんでしょうかね。(苦笑)
そうやって読者をモヤモヤさせるのが著者の醍醐味なんでしょうか。

  • 投稿者: じゃじゃまま
  • 2013/04/19(金) 17:05:28
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貫井さんご本人の頭の中では、どこかにきちんと着地して
読者からどんな反響が届くかを愉しんでいらっしゃるのかしら
なんて深読みしてしまいます。^^;

それも含めてリアルで怖かったです。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2013/04/19(金) 18:40:56
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