空の拳*角田光代

  • 2012/11/01(木) 18:17:19

空の拳空の拳
(2012/10/11)
角田 光代

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文芸編集志望の若手社員・那波田空也が異動を命じられたのは"税金対策"部署と揶揄される「ザ・拳」編集部。
空也が編集長に命じられて足を踏み入れた「くさくてうるさい」ボクシングジム。
そこで見たのは、派手な人気もなく、金にも名誉にも遠い、死が常にそこに横たわる過酷なスポーツに打ち込む同世代のボクサーたちだった。
彼らが自らの拳でつかみ取ろうとするものはいったいなんなのか――。

直木賞受賞作『対岸の彼女』、テレビ化・映画化で一大ブームを巻き起こした『八日目の蝉』など特にアラサー、アラフォー女性の圧倒的な共感を呼ぶヒット作を連発してきた角田氏が、
これまでずっと書いてみたかったという「男の人」と躍動感ある「動き」を、「私がもっとも美しいと思うスポーツ」ボクシングを通して描いた傑作長篇小説。

鍛え上げられた肉体、拳のスピードと重さ、飛び散る血と汗……。
自らもボクシングジムに10年以上通い続ける著者ならではのパワー溢れる描写に圧倒されるとともに、時代を超えた青春小説としても長く読み継がれるであろう、新たな角田文学!


485ページの大作である。申し訳ないが、ボクシングには全く興味がなく、テレビでやっていてもすぐにチャンネルを変えてしまうレベルである。ルールも用語も何も知らない。であるから、読みはじめてしばらくはまるで入り込めなかった。なにしろ練習風景など、ボクシングをやっている場面の描写がとても多いのである。だが意外に早い段階で、登場人物それぞれのキャラクターが映像として頭に浮かぶようになり、事務の空気まで漂ってくる気分になると、試合の結果はもちろん、彼らの向う先のことが気になり、次へ次へとページをまくるようになっているのだった。そして、拳で戦うボクサーだけでなく、物語の語り手である編集者・空也の生き様も熱く見守ってしまうのだった。当初の予感に反してぐっと入り込める一冊だった。

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