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ナモナキラクエン*小路幸也

  • 2012/11/08(木) 11:04:02


ナモナキラクエンナモナキラクエン
(2012/09/01)
小路 幸也

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「楽園の話を、聞いてくれないか」
そう言いかけて、父さんは逝ってしまった。
山(サン)・紫(ユカリ)・水(スイ)・明(メイ)と名づけられた僕ら兄妹と、一通の手紙を残して。



それぞれ母親の違う四人の兄妹。その長男で21歳の大学生・山(サン)が語る、向井家の物語である。兄妹それぞれは、普通さのなかに少しだけほかと違った性質を帯び、それが個性となって魅力的なキャラクタになっている。兄妹を取り囲む周りの人たちも、きちんと自分の立場と役割をわきまえていて、好感が持てる。登場人物すべてが著者らしく気持ちが好い。ものすごく重いことが描かれているにもかかわらず、全編に爽やかな風が吹いているように感じられるのもそのおかげだろう。父の残したこの家が、彼らにとっての楽園になることを祈らずにはいられない一冊である。

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