虚像の道化師--ガリレオ7*東野圭吾

  • 2012/11/17(土) 17:03:04

虚像の道化師 ガリレオ 7虚像の道化師 ガリレオ 7
(2012/08/10)
東野 圭吾

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東野圭吾の代表作、「ガリレオシリーズ」の最新短編集。
ビル5階にある新興宗教の道場から、信者の男が転落死した。その場にいた者たちは、男が何かから逃れるように勝手に窓から飛び降りたと証言し、教祖は相手に指一本触れないものの、自分が強い念を送って男を落としてしまったと自首してきた。教祖の“念”は本物なのか? 湯川は教団に赴きからくりを見破る(「幻惑(まどわ)す」)。突然暴れだした男を取り押さえようとして草薙が刺された。逮捕された男は幻聴のせいだと供述した。そして男が勤める会社では、ノイローゼ気味だった部長が少し前に自殺し、また幻聴に悩む女子社員もいた。幻聴の正体は――(「心聴(きこえ)る」)。大学時代の友人の結婚式のために、山中のリゾートホテルにやって来た湯川と草薙。その日は天候が荒れて道が崩れ、麓の町との行き来が出来なくなる。ところがホテルからさらに奥に行った別荘で、夫婦が殺されていると通報が入る。草薙は現場に入るが、草薙が撮影した現場写真を見た湯川は、事件のおかしな点に気づく(「偽装(よそお)う」)。劇団の演出家が殺された。凶器は芝居で使う予定だったナイフ。だが劇団の関係者にはみなアリバイがあった。湯川は、残された凶器の不可解さに着目する(「演技(えんじ)る」)。
読み応え充分の4作を収録。湯川のクールでスマートな推理が光る、ガリレオ短編集第4弾。


そうか、ガリレオシリーズは著者の代表作、という位置づけなのか。映像の力、ということだろう。いつまでも、当初の湯川先生のイメージにこだわっていてはいけないのだろうということはわかっているが、どうにも釈然としない心持ちになってしまうのも確かなのである。それは置いておくとして、物語としては、さまざまな要素が盛り込まれていて愉しめた。ただ、湯川先生が社会生活にだんだん適応してきたのか、変人ぶりが薄れつつある気がして、それが少しさみしくもある。草薙刑事に期待しつつ、次回作もたのしみに待ちたいシリーズではある。




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じゃじゃままブックレビュー

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虚像の道化師 ガリレオ7 東野圭吾著。

《★★★》 なんだかドラマになってから、湯川が少し変わった気がする。物腰が柔らかいというか、多分映像で見てるからどうしても文章の隙間に福山雅治が出てきちゃってるんだろう...

  • From: じゃじゃままブックレビュー |
  • 2013/05/18(土) 18:17:51

この記事に対するコメント

ああ、やはりですか。私も湯川が変わったなって思いました。映像の力ってすごいですよね。どうしてもチラホラと自分が今まで持っていたイメージが修正されていきます。
読みやすくなってきましたけど、若干ドラマに流されちゃってるのが寂しい気もします。

  • 投稿者: じゃじゃまま
  • 2013/05/18(土) 18:20:27
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東野さんの湯川先生像、もともとは佐野史郎さんだったというのをどこかで読んだことがあります。
それならわたしも納得なのだけれど、それだとドラマの制作側とは折り合わなかったのでしょうね。^^;

  • 投稿者: ふらっと
  • 2013/05/18(土) 18:31:55
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