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ダックスフントのワープ*藤原伊織

  • 2004/09/05(日) 18:04:08

☆☆☆・・




利発で難しい言葉を使いたがる癖のある自閉傾向の10歳の少女マリの家庭教師として――標準的な家庭教師10人分ほどの報酬で――雇われている心理学科の学生である「僕」が 彼女にしている授業は [話をすること]である。今は老いたダックスフントの物語を話しているところだ。
マリは「僕」の話を自分なりに噛みしめて理解しているように見える。そこに何か意味を見出そうとするように ときに 自分の身に引き比べたり 遠いこととして眺めているように。それでも「僕」の家庭教師としての仕事の効果は出ていたように思える。

マリと「僕」とのやりとりは 10歳の少女と大学生の青年との会話、というよりも 哲学者同士の会話、とでもいう雰囲気に包まれている。人生を悟っているのか あるいは逆に人生を諦めているように見える。しかし 外側を包む雰囲気とはうらはらに 本当はキラキラと生きたいのだと思う。弾むように生き生きと。
なのに_____。


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「ダックスフントのワープ」藤原伊織

ダックスフントのワープposted with 簡単リンクくん at 2005. 7. 6藤原 伊織 / 藤原 伊織〔著〕文芸春秋 (2000.11)通常2~3日以内に発送します。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見る加納朋子の短編集の一編のタイトルが「ダックスフントの憂鬱」だったことから思い出した

  • From: 本を読む女。改訂版 |
  • 2005/07/06(水) 09:35:02

「ダックスフントのワープ」藤原伊織

「ダックスフントのワープ」(文春文庫版)藤原伊織(2000)☆☆☆☆★ ※[913]、国内、小説、現代、文芸、文学 テキストとしたのは2000年発行文春文庫版。文庫版は表題作「ダックスフントのワープ」「ネズミ焼きの贈り物」に加え、「ノエル」「ユーレイ」を追録、四篇の短編か

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  • 2005/07/10(日) 19:15:52

ダックスフントのワープ [藤原伊織]

ダックスフントのワープ藤原 伊織集英社 1987-02表題作「ダックスフントのワープ」と「ネズミ焼きの贈りもの」の二編が収録されています。『テロリストのパラソル』とはずいぶん雰囲気の違う作品です。「ダックスフントのワープ」は、十歳の女の子の家庭教師として、彼女に

  • From: + ChiekoaLibrary + |
  • 2005/07/15(金) 11:44:39

(書評)ダックスフントのワープ

著者:藤原伊織 (文庫版は)『ダックスフントのワープ』『ネズミ焼きの贈り物』『ノ

  • From: たこの感想文 |
  • 2006/02/18(土) 12:50:04

「ダックスフントのワープ」藤原伊織

タイトル:ダックスフントのワープ著者  :藤原伊織出版社 :文藝春秋読書期間:2007/04/09 - 2007/04/10お勧め度:★★★[ Amazon | bk1 | 楽天ブックス ]大学の心理学科に通う「僕」は、ひょんなことから自閉的な少女・下路マリの家庭教師を引き受けることになる。「僕

  • From: AOCHAN-Blog |
  • 2007/05/21(月) 22:12:54

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ダックスフントのワープ (文春文庫)(2000/11)藤原 伊織商品詳細を見る 「ダックスフントのワープ」「ネズミ焼きの贈り物」「ノエル」「ユーレイ...

  • From: しんちゃんの買い物帳 |
  • 2008/02/27(水) 13:10:28

この記事に対するコメント

こんにちは。
文庫版を読みましたが、内容が文学だとは知りませんでした。
こんなのも藤原さんは書いていたのですね。

  • 投稿者: しんちゃん
  • 2008/02/27(水) 13:13:14
  • [編集]

ほんとうに、文学の藤原さんももっと読みたかったですね。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2008/02/27(水) 17:24:15
  • [編集]

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