鍋奉行犯科帳*田中啓文

  • 2013/01/14(月) 15:27:54

鍋奉行犯科帳 (集英社文庫)鍋奉行犯科帳 (集英社文庫)
(2012/12/14)
田中 啓文

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大坂西町奉行所に型破りな奉行が赴任してきた。名は大邉久右衛門。大食漢で美食家で、酒は一斗を軽く干す。ついたあだ名が「大鍋食う衛門」。三度の御膳が最優先で、やる気なしの奉行に、与力や同心たちはてんてこ舞い。ところが事件が起こるや、意外なヒラメキを見せたりする。ズボラなのか有能なのか、果たしてその裁きは!?食欲をかきたてる、食いだおれ時代小説。


大阪が舞台の時代小説(?)である。時代小説なので、西町奉行とか与力などという役職名がたくさん出てくるし、奉行の名には背けないという縛りもあるが、それ以外はいつの世にも通ずるコメディである(言い切ってしまっていいのだろうかあ)。だが、ただのドタバタで終わっているわけではなく、そこは著者であるので、ちゃんとミステリにもなっていて、胸のすくラストも用意されている。事件を解決すべく走り回っているのは西町奉行所の同心・村越勇太郎のたちようなきがしなくもないが、肝心要のところでの奉行・大邊久右衛門の裁きが実に見事なものなので、日ごろの食い意地に関わる我儘も許せてしまうのかもしれない。掛け値なく面白い一冊である。

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