こちら弁天通りラッキーロード商店街*五十嵐貴久

  • 2013/02/15(金) 17:16:33

こちら弁天通りラッキーロード商店街こちら弁天通りラッキーロード商店街
(2013/01/18)
五十嵐 貴久

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印刷工場を経営していた笠井武は、友人の連帯保証人になったことから莫大な借金を抱えてしまった。苛烈な取り立てから逃げた先の無人の寺で一夜を過ごし、首をくくろうかと考えていた彼は、町の老人たちに新しい住職と勘違いされる。「ポックリ逝かせてほしい」と懇願された笠井が事情を尋ねると、彼らはシャッター商店街の老店主たちで、もう生きていても仕方ないと言うのだが―。老店主たちに頼られたニセ坊主の思いつきは、町と人々を再生できるのか!?読んだら希望が湧いてくる、痛快エンターテインメント。


紹介文の通り、愉快痛快な物語なのは間違いない。どうしても荻原さんのユニバーサル広告社を思い出してしまうとしても。ただ、もはや死に体とも言えるラッキーロード商店街を、ほんの思いつきの提案で蘇えらせてしまうのは、午前様こと笠井武の力だけでなく、商店主たちの働いて誰かの役に立ちたいという、長いこと胸の底でくすぶっていた思いの発露の結果なのだろう。午前様のアドバイスがたぶん消えていた導火線に火をつけたのだ。地の果てまでも追ってくるはずの貸金業者が、あの提案をあっさり受け入れてしまうのも、まぁいいとしよう。愉しく前向きに読める一冊である。

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