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その場小説*いしいしんじ「

  • 2013/03/02(土) 16:46:37

その場小説その場小説
(2012/11/09)
いしい しんじ

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54の「その場」で生まれた即興短編集。

2007年12月、それは六本木ではじまった。六本木のアートカフェイベントで自作の朗読を頼まれたいしいしんじは、"既に自分が知っている話をもう一度読んでも面白くない"と思った。そして、その場でちょっと、小説を書きながら声に出して読んでみた。楽しかった。それから、鉛筆だけを持って、呼ばれたらどこにでも出かけていき、「その場」で小説を書き、読むという独自のスタイルで執筆活動をするように。2012年9月の金沢、そして駒場にいたるまで54の物語を生み出してきた。東京の書店、京都のお寺、大阪の銭湯、神奈川のギャラリー、長野のカフェ、高知の植物園、瀬戸内海の小さな島、茨城の公園、大分のストリップ劇場、沖縄の市場、北海道のカフェ……その場の人々、その場の空気、その場の風景からインスピレーションを得て紡がれた風変わりで心温まる54の物語。


その場その場の「気」を読んで物語を紡ぎだす。そんな臨場感あふれる小さな物語がぎっしり詰まった一冊である。ひとつひとつの物語は、そのときその場で生み出されたものでありながら、同じ場所で生まれた物語同士は繋がっているようであり、まったく別の場所で生まれた物語同士も、どこか深い深いところで繋がっているように思われる。ときにあたたかくすべてを包み込むようであり、ときにチクリと胸を刺す。たくさんのちいさな光の粒が寄り集まって、形を変えながら生き続けているような心地のする一冊でもある。

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