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ハピネス*桐野夏生

  • 2013/04/06(土) 18:35:15

ハピネスハピネス
(2013/02/07)
桐野 夏生

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三十三歳の岩見有紗は、東京の湾岸地区にそびえ立つタワーマンションに、三歳二カ月の娘と暮らしている。結婚前からの憧れのタワマンだ。
おしゃれなママたちのグループにも入った。そのリーダー的な存在は、才色兼備の元キャビンアテンダントで、夫は一流出版社に勤めるいぶママ。
他に、同じく一流会社に勤める夫を持つ真恋ママ、芽玖ママ。その三人とも分譲の部屋。しかし有紗は賃貸。そしてもう一人、駅前の普通のマンションに住む美雨ママ。
彼女は垢抜けない格好をしているが、顔やスタイルがいいのでいぶママに気に入られたようだ。
ある日の集まりの後、有紗は美雨ママに飲みに行こうと誘われる。有紗はほかのママたちのことが気になるが、美雨ママは、あっちはあっちで遊んでいる、自分たちはただの公園要員だと言われる。
有紗は、みんなには夫は海外勤務と話しているが、隠していることがいくつもあった。
そして、美雨ママは、有紗がのけぞるような衝撃の告白をするのだった……。
「VERY」大好評連載に、新たな衝撃の結 末を大幅加筆!


どこに住んでも、大なり小なりあるのではないかと思われる、ママ友づきあいのむずかしさを、ママ友仲間の経済格差や境遇を絡めて描いた物語である。自分の身に降りかからない限り、興味津々で首を伸ばしてしまいそうな題材でもある。ママ友間の力関係や夫や実家の地位、生活レベル、などなど、身の丈以上を望むと窮屈なことこの上ない。それでも子どものため、自分のために多少の無理には目を瞑って周りに合わせる。そのうちに、必ずどこかにひずみが出てくる。上辺と本音、虚飾と現実。なにが本当のしあわせなのか。自分の心の持ちようで、しあわせの価値も変わるのだと思わされる一冊でもある。

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