心配しないで、モンスター*平安寿子

  • 2013/04/11(木) 21:17:41

心配しないで、モンスター心配しないで、モンスター
(2013/02/27)
平 安寿子

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宇宙人? モンスター? それでもいいよ。 そういってくれる人は、きっといる。

下で何が起こっていても超然としている丘の上の馬鹿のように老いたいのに、結局じたばたしてしまう金森カナエ(50)。「舟唄」をテキストに不倫を楽しんでいる、桑原カオル(32)。彼はスーパーギタリスト。10コ下のストリート・ミュージシャンだけど。徳永早紀子(33)。パン屋の女主人にコンサートチケットを渡したい駐車場係員、楠本英智(69)。ピンクレディーのコスプレにはまってしまった、落合光弘(26)----。
……さえない毎日にうんざりして、うまくやれない自分にがっかりして、孤独や不安に苛まれてどんよりする、そんなときこそ、鳴らせ、自分のテーマソングを!
9つの音楽に乗って、少しだけ前に進む9人の物語。シニカルでありながら温かく、たくましい。今回の平節は、「どれもラブソングを1曲聞いたようで、実に心地よい」(池上冬樹氏)!


「丘の上の馬鹿になりたい」 「わけあって、舟唄」 「黒魔術の女とお呼び」 「夢路はどこにあるの」 「夕星に歌う」 「UFOに乗ってモンスターが行くぞ」 「わたしだって、いつかはプリキュア」 「真夏の果実はかじりかけ」 「心配しないでベイビー、やっていけるから」

登場人物がバトンタッチする形のゆるい連作である。だが、だれが主人公になったとしても、何かしらの悩みや屈託があるわけで、そんなあれこれを胸に秘め、日々を生きて――あるいは闘って――いるのである。そこに寄り添う一曲があり、折れそうなときによりどころにする一曲があれば、なんとかあしたもやっていけそうな気持になるのである。他人と比べることなどない、自分がいいと思った道を、自分なりのペースで歩いていけばいいのだ、と――半分開き直るような勢いであっても――思わせてくれる一冊である。

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