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百年法 上下*山田宗樹

  • 2013/05/16(木) 16:54:59

百年法 上百年法 上
(2012/07/28)
山田 宗樹

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原爆が6発落とされた日本。敗戦の絶望の中、国はアメリカ発の不老技術“HAVI”を導入した。すがりつくように“永遠の若さ”を得た日本国民。しかし、世代交代を促すため、不老処置を受けた者は100年後に死ななければならないという法律“生存制限法”も併せて成立していた。そして、西暦2048年。実際には訪れることはないと思っていた100年目の“死の強制”が、いよいよ間近に迫っていた。経済衰退、少子高齢化、格差社会…国難を迎えるこの国に捧げる、衝撃の問題作。


西暦2048年からの日本共和国での出来事である。夢物語のような不老不死が現実のものとなった世の中で、人は何を思って日々を暮すのだろうか。いいこと尽くめでないことは容易に想像がつくが、緩やかな死と直面することのない人々は自分とどう向き合っていけばいいのだろうか。上巻にはまだ何の解決策も示されてはいないが、それは下巻で示されるのだろうか。それとも加速度的に悪い方向へとなだれ込んで行ってしまうのだろうか。早く下巻を読みたい一冊である。


百年法 下百年法 下
(2012/07/28)
山田 宗樹

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不老不死が実現した社会。しかし、法律により100年後に死ななければならない―“生存制限法”により、100年目の死に向き合うことになった日本。“死の強制”をつかさどる者、それを受け入れる者、抗う者、死を迎える者を見送る者…自ら選んだ人生の結末が目の前に迫ったとき、忘れかけていた生の実感と死の恐怖が、この国を覆う。その先に、新たに生きる希望を見出すことができるのか!?構想10年。最高傑作誕生。


アメリカによる驚愕の研究結果によって、日本共和国が生き残るために取るべき施策が浮かび上がる。現役世代の共感を得るのは至難であろうと思われる施策だが、紆余曲折の末に大統領代行の座についた遊佐の果断により、極端とも言える施策が国民に発表され、国民投票に委ねられることになるのである。その結果は…。そして、上巻ではユニオンに属する一女性・蘭子の息子であるだけだった仁科ケンが、下巻ではどんどん存在感を増してくる。降ろうか処置を受けていない彼が未来への希望になるとは、なんという皮肉だろうか。生きるということ、老いるということ、国を治めるということ、などなど…。さまざまなことを考えさせられた一冊だった。

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