アルファベット・パズラーズ*大山誠一郎

  • 2013/05/31(金) 21:12:27

アルファベット・パズラーズ (ミステリ・フロンティア)アルファベット・パズラーズ (ミステリ・フロンティア)
(2004/10/28)
大山 誠一郎

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東京、三鷹市の井の頭公園の近くに“AHM”という四階建てのマンションがある。その最上階に住むオーナー・峰原卓の部屋に集まるのは、警視庁捜査一課の刑事・後藤慎司、翻訳家・奈良井明世、精神科医・竹野理絵の三人。彼らは紅茶を楽しみながら、慎司が関わった事件の真相を解明すべく推理を競う。毒殺されるという妄想に駆られていた婦人を巡る殺人事件、指紋照合システムに守られた部屋の中で発見された死体、そして三転四転する悪魔的な誘拐爆殺事件―精緻なロジックと鋭利なプロット、そして意外な幕切れ。本格ミステリ界期待の俊英が満を持して放つパズラーの精華。


「Pの妄想」 「Fの告発」 「Yの誘拐」

マンションの最上階にあるオーナーの部屋に、年齢も職業も性格も異なる人々が集って、紅茶を愉しみながら謎解きをする、という設定は興味をそそられる。精神科医・理絵の目のつけどころに感心し、翻訳家・明世と刑事・後藤の掛け合いに苦笑いさせられ、オーナー・峰原の慧眼に驚かされる。だが、いささか偶然に頼りすぎている感が無きにしも非ず、なところが勿体無くもある。そして最後の作品では、峰原の慧眼によって説かれたと思った謎が、それでは終わらず驚かされるが、そこもちょっぴり詰めが甘いような気がする。面白くないわけではないが少し物足りなくもある一冊である。

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