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密室蒐集家*大山誠一郎

  • 2013/06/26(水) 16:48:41

密室蒐集家 (ミステリー・リーグ)密室蒐集家 (ミステリー・リーグ)
(2012/10/18)
大山 誠一郎

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目撃された殺人と消えた犯人、そして目の前を落下する女、鍵を飲み込んだ被害者に雪の足跡…いつの間にか現れた「彼」の前に開かない「扉」はない。


「柳の園 1937年」 「少年と少女の密室 1953年」 「死者はなぜ落ちる 1965年」 「理由ありの密室 1985年」 「佳也子の屋根に雪ふりつむ 2001年」

警察が真相を掴みかねている密室殺人事件があると、どこからともなく現われて、状況を聴いただけでいとも簡単にしかも鮮やかに謎を解き、いつの間にか煙のように消えてしまう密室蒐集家の物語である。最後にはその正体が明らかにされるのかと思えば、さにあらず。最後まで彼が何者なのかは謎のままなのである。物語の中で唯一解かれない謎がそれである。ファンタジーのような設定だが、れっきとした密室物であり、密室蒐集家に見破られたとはいえ、トリックを考え出した犯人も見事であると思ってしまう。短編集なのだが、緩い連作のようでもある一冊である。

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