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バスを待って*石田千

  • 2013/08/16(金) 16:58:28

バスを待ってバスを待って
(2013/06/14)
石田 千

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町の景色と人情が心に沁みる石田千連作小説
<いちばんまえの席があいた。となりのおじいさんは、いそいで移動して椅子によじのぼった。男のひとは、いつまでもあの席が好きでおかしい。> 夫をなくしたばかりのお年寄り、自分の進路に迷う高校生、上司とそりが合わず落ち込むサラリーマン、合コンに馴染めないOL……、季節、場所、人は違えど、バスにゆられて「明日もがんばるか」と元気を回復する二十篇。
第一回古本小説大賞、2011年、12年芥川賞候補の石田千氏の最新小説。「お洒落なイタリアンより酒肴の旨い居酒屋が好き」「流行のファッションより古着やナチュラル系の服が好き」という女性を中心に人気を博している小説家・エッセイストの、人情に溢れ、ほろっときたり、ほほ笑んだりしながら読める物語。


乗り物が少し苦手なので、自分からバスを選んで乗ることは滅多にない。どこかへ行こうと思うと、最短経路を検索して電車や地下鉄を乗り継いで出かけている。だが、それほど急いでいかなければならない場所がどれほどあるだろうか、と考えると、首を捻らざるを得ない。この一冊を読んでいるうちに、もっとのんびり風景を愉しみながら移動するのもいいのではないかと思えてくる。さらに言えば、目的地を決めずに、来たバスにふらっと乗るのも愉しいかもしれないとさえ思えてくる。バスの座席では、人は自分に戻れるのかもしれないと思わされる一冊でもある。

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