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体育館の殺人*青崎有吾

  • 2013/08/24(土) 18:23:43

体育館の殺人体育館の殺人
(2012/10/11)
青崎 有吾

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放課後の旧体育館で、放送部部長が何者かに刺殺された。外は激しい雨が降り、現場の舞台袖は密室状態だった!?現場近くにいた唯一の人物、女子卓球部の部長のみに犯行は可能だと、警察は言うのだが…。死体発見現場にいあわせた卓球部員・柚乃は、嫌疑をかけられた部長のため、学内随一の天才・裏染天馬に真相の解明を頼んだ。なぜか校内で暮らしているという、アニメオタクの駄目人間に―。エラリー・クイーンを彷彿とさせる論理展開+抜群のリーダビリティで贈る、新たな本格ミステリの登場。若き俊英が描く、長編学園ミステリ。


神奈川県立風ヶ丘高校が舞台である。その旧体育館で放送部の部長が殺されているのが見つかり、物語は始まるのである。読みはじめは、なんとなく思わせぶりが大げさなところもあり、いささかこなれていない感がなくもなかったが、それも含めて著者の個性なのかもしれないと次第に思うようになった。事件よりなにより、探偵役が同校の成績いちばんの生徒であり、しかもあろうことか彼・裏染天馬は、百人一首研究会という名前だけの部活の部室にこっそり棲みついている超のつく自己中心的なアニメオタクであるという設定がとんでもなくて興味を惹かれる。探偵役をするのも、正義感とか義憤に駆られてとか友人のためになどという理由からかけ離れた、アニメグッズを買うための費用を稼ぐため、という至って自己満足的な動機によるもので、自らフェアプレイは好きではないと言い切るのである。それでいて一作目からすでに、警察にも頼りにされ、次回の依頼まで取り付けそうな勢いなのに苦笑してしまう。天馬探偵の傲慢な態度から目が離せなくなりそうなシリーズである。

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