はるがいったら*飛鳥井千砂

  • 2013/09/02(月) 18:49:58

はるがいったらはるがいったら
(2006/01/05)
飛鳥井 千砂

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「今」を見事に描き切る、新しい才能の誕生。
気が付けば他人のファッションチェックまでしている完璧主義者の姉。何事もそつなくこなすが熱くなれない「いい子」な弟。どこかが行き過ぎで、何かが足りない姉弟の物語。第18回小説すばる新人賞受賞作。


14年前に公園で拾った雑種犬。ちょうど春だったので、ちゃんとした名前はあとで考えようと、とりあえず「はる」と名づけ、はるのまま14年一緒にいる。姉・園(その)は22歳、僕・行(ゆき)は18歳になった。いまは老い、日がな一日うつらうつらとしているだけなので、生き生きとした描写はないが、14年の間に姉弟に起きたさまざまなことのそばには、いつもはるがいた。それぞれに理由は違うが、自分というものの扱いにいささか戸惑う姉弟の現在(いま)が、どちらもよく判って微笑ましくも辛くもある。はるを送ったことで、ほんの少し何かが変わっていくのかもしれない、と安堵する心地にもなる一冊である。

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