叫びと祈り*梓崎優

  • 2013/09/08(日) 16:43:31

叫びと祈り (ミステリ・フロンティア)叫びと祈り (ミステリ・フロンティア)
(2010/02/24)
梓崎 優

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砂漠を行くキャラバンを襲った連続殺人、スペインの風車の丘で繰り広げられる推理合戦、ロシアの修道院で勃発した列聖を巡る悲劇…ひとりの青年が世界各国で遭遇する、数々の異様な謎。選考委員を驚嘆させた第五回ミステリーズ!新人賞受賞作「砂漠を走る船の道」を巻頭に据え、美しいラストまで一瀉千里に突き進む驚異の連作推理誕生。大型新人の鮮烈なデビュー作。


ミステリと呼んでいいのかどうか迷うくらい、いままでなかったミステリなのではないだろうか。少なくともわたしがいままで読んできたミステリとは別のもののように思われる。斉木という一人の男が世界のあちこちを旅して体験した出来事というキーで繋がる連作短編集なのだが、物語とか筋立てとか舞台とか、それら自体が初めから謎解きなどなくても成立してしまうような気がする。それでいてきちんと謎解きもあるのだが、その種明かしの根拠もまたただ事ではないのである。そしてそれらの物語を束ねるラストの一作が、何とも切ないというか、それでいいのか、と読む者を悩ませるのである。悪い意味でなくとらえどころのない一冊とも言えるかもしれない。

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