想い雲--みをつくし料理帖*高田郁

  • 2013/10/13(日) 08:32:05

想い雲―みをつくし料理帖 (時代小説文庫)想い雲―みをつくし料理帖 (時代小説文庫)
(2010/03)
高田 郁

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土用の入りが近づき、澪は暑気払いに出す料理の献立に頭を悩ませていた。そんなある日、戯作者・清右衛門が版元の坂村堂を連れ立って「つる家」を訪れる。澪の料理に感心した食道楽の坂村堂は、自らが雇い入れている上方料理人に是非この味を覚えさせたいと請う。翌日、さっそく現れた坂村堂の料理人はなんと、行方知れずとなっている、天満一兆庵の若旦那・佐兵衛と共に働いていた富三だったのだ。澪と芳は佐兵衛の行方を富三に聞くが、彼の口から語られたのは耳を疑うような話だった―。書き下ろしで贈る、大好評「みをつくし料理帖」シリーズ、待望の第三弾。


シリーズ三作目である。またもや澪やつる家に苦難が襲い掛かるが、それはなんと、行方知れずになっているご寮さん・芳の息子、天満一兆庵の若旦那・佐兵衛にも絡む事であった。佐兵衛の行方は依然として判らないが、これまでの皆目見当もつかない状態からは半歩進んだ心持ちもなくはない。そして、今作ではとても屈折した形ではあるものの、澪と野江ちゃんの触れ合いも叶い、おそらく二人ともが安堵し、明日への気持ちを新たにしたことだろう。料理は言わずもがな、上方と江戸の風習の違いをうまく交わらせ、工夫を凝らし、心のこもった一品に、実際口にできないもどかしささえ感じてしまう。佐兵衛のこと、野江のこと、小松原とのこと、さまざま次回作が愉しみなシリーズである。

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