検察側の罪人*雫井脩介

  • 2013/10/28(月) 07:22:54

検察側の罪人検察側の罪人
(2013/09/11)
雫井 脩介

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検事は何を信じ、何を間違えたのか。

東京地検のベテラン検事・最上毅と同じ刑事部に、教官時代の教え子、沖野啓一郎が配属されてきた。ある日、大田区で老夫婦刺殺事件が起きる。捜査に立ち会った最上は、一人の容疑者の名前に気づいた。すでに時効となった殺人事件の重要参考人と当時目されていた人物だった。男が今回の事件の犯人であるならば、最上は今度こそ法の裁きを受けさせると決意するが、沖野が捜査に疑問を持ちはじめる――。

正義とはこんなにいびつで、こんなに訳の分からないものなのか。
雫井ミステリー、最高傑作、誕生!


500ページを超える長編ということを感じさせない面白さである。現実にこんなことがあったら大事件であり、一般市民は一体何を信じればいいのか、不信感の塊になってしまうような事件であり、起きた事柄だけを並べて見せられたら、最上は人間として最低だと圧倒的な確信を持って決めつけるだろうと思う。だが、その人間として、という部分でこそ、最上の苦悩とここまでの決断があったのだということがこの物語にはにじみ出ていて、犯した罪は到底許すことはできないが、人間として憎み切れないのである。松倉を断罪することができなかったという結果に、最上は一生晴れない思いを抱き続けることになるのだろう。松倉憎し、である。法という剣をもってしても、正義という思いをかざしていても、どうにもならないことがあるのだというもどかしさや無力感を思い知らされる一冊でもある。




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検察側の罪人 雫井脩介著。

《★★★★》 東京地検のベテラン検事・最上毅と同じ刑事部に、教官時代の教え子、沖野啓一郎が配属されてきた。ある日、大田区で老夫婦刺殺事件が起きる。捜査に立ち会った最上は、一人の容疑者の名前に気づいた。すでに時効となった殺人事件の重要参考人と当時目されて…

  • From: じゃじゃままブックレビュー |
  • 2014/04/28(月) 16:42:01

この記事に対するコメント

雫井さんの小説の中で、一番忘れられないものとなりそうです。
最初は、沖野か最上か、どっち側で読むべきか迷ったんですけどね。ラストの、最上と友人の面会に泣きました。結構号泣しましたよ。

松倉、本当に嫌な奴でしたね。あんなんだったら、無罪証明しなくてもよかったのに、とすら思いましたよ。(爆)

  • 投稿者: じゃじゃまま
  • 2014/04/28(月) 16:45:02
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わたしも結構泣かされました。
松倉はほんとうに許せません。
そしてなにより、罪を正しく罰するということの土台の危うさを思い知らされました。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2014/04/28(月) 17:07:17
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