悪医*久坂部羊

  • 2013/12/08(日) 21:12:38

悪医悪医
(2013/11/07)
久坂部 羊

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現役の医師でもあり作家でもある著者が、満を持して取り組んだ「悪い医者とは?」を問いかける感動の医療長編小説。
がん治療の拠点病院で、52歳の胃がん患者の小仲辰はがんが再発したあと、外科医の森川良生医師より「これ以上、治療の余地がありません」と告げられた。
「私にすれば、死ねと言われたのも同然」と、小仲は衝撃のあまり診察室を飛び出す。
小仲は大学病院でのセカンドオピニオンを断られ、抗がん剤を専門とする腫瘍内科、免疫細胞療法のクリニック、そしてホスピスへ。
それぞれの場所で小仲はどんな医師と出会うのか。
一方、森川は現在の医療体制のもと、患者同士のいさかい、診療での「えこひいき」問題など忙殺されるなか、診療を中断した小仲のことを忘れることができず、末期がん患者にどのように対したらよいのか思い悩む日々がつづく。
患者と医師の間の溝ははたして埋められるのか。
がん治療に対する医師の本音と患者の希望は軋轢を生み、物語は運命のラストへと向かう。
ひくにひけない命という一線を、患者と医師双方の切迫した事情が迫真のドラマを生み出す問題作。


重く壮絶な物語だった。当事者にならない限り、ほんとうには理解できないであろう患者の想いと、そんな患者を数多く担当する医師の想い。立場の違い、知識の違いなどによって、互いに理解し合えないことも多い。どのように病気と向き合うか、どのように患者に寄り添うかを、それぞれが問われているようにも思われる。さまざま考えさせられ、重苦しい気分になるが、考えることは無駄ではないとも思わされる一冊である。




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じゃじゃままブックレビュー

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悪医 久坂部羊著。

《★★★★》 一人のがん患者と、一人の外科医。 治療法はもうない、あとは余命を後悔のないように、と治療を拒否される患者と、これ以上の治療は患者の命を縮めるだけと、治療を拒否する外科医。 もう死ねと言ってるのか!と激昂する患者、小仲。自分たちは患者の命を救…

  • From: じゃじゃままブックレビュー |
  • 2014/06/26(木) 12:28:19

この記事に対するコメント

答えが出るのか、って思いながら読みました。本当に考えさせられる作品でした。
でも、医者には病気を治すためだけじゃなく、最後まで希望を与えて欲しいなって思いましたね。
治療を続けるか、しないか。
最後まで治療にこだわるか、小仲のようにやり尽くして、最後は受け入れるか。

無駄ではない一作でした。

  • 投稿者: じゃじゃまま
  • 2014/06/26(木) 12:32:56
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ほんとうにおっしゃる通りです。
最期の最期まで見放されていないと思えば、勇気が湧いてくるのではないかと思います。
でも、できることなら実際に同じ立場になって理解したくはないですね。^^;

  • 投稿者: ふらっと
  • 2014/06/26(木) 18:40:38
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