妻が椎茸だったころ*中島京子

  • 2013/12/17(火) 17:17:31

妻が椎茸だったころ妻が椎茸だったころ
(2013/11/22)
中島 京子

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オレゴンの片田舎で出会った老婦人が、禁断の愛を語る「リズ・イェセンスカのゆるされざる新鮮な出会い」。暮らしている部屋まで知っている彼に、恋人が出来た。ほろ苦い思いを描いた「ラフレシアナ」。先に逝った妻がレシピ帳に残した言葉が、夫婦の記憶の扉を開く「妻が椎茸だったころ」。卒業旅行で訪れた温泉宿で出会った奇妙な男「蔵篠猿宿パラサイト」。一人暮らしで亡くなった伯母の家を訪ねてきた、甥みたいだという男が語る意外な話「ハクビシンを飼う」。
5つの短篇を収録した最新作品集。


なんだか、胸の奥の奥の深いところがうずくような物語である。顔色ひとつ変えずに――あるいはうっすらと頬笑みさえ浮かべて――、切っ先鋭い刃物を突き付けられているような、そんな叫び声すらあげられないような恐怖でもあり、裏を返せば、それこそが自分の望みだったというような満たされたような心地にもなる。とても遠いにもかかわらず、身の裡に食い込んでくるような一冊である。

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