卯月の雪のレター・レター*相沢沙呼

  • 2014/01/04(土) 16:49:03

卯月の雪のレター・レター卯月の雪のレター・レター
(2013/11/20)
相沢沙呼

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小袖は読書が好きなおとなしい高校生。法事で祖父のもとを訪ねた際に、従妹から奇妙な質問をされる。「死んだ人から、手紙って来ると思う?」祖父宛に最近届いた手紙は不可解な内容だったが、六年前に亡くなった祖母が昔に書いたもののようだ。それがなぜいまごろになって?誰かの悪戯なの?思い悩んだ小袖は、その手紙の謎をある人物に話すことに…。表題作をはじめ、揺れ動く少女たちの心理を巧みに描いた、鮎川賞作家の最新短編集。


表題作のほか、「小生意気リゲット」 「こそどろストレイ」 「チョコレートに、躍る指」 「狼少女の帰還」

どの物語もちょっとした違和感と、ちょっとしたすれ違い、そしてちょっとした謎に包まれている。ほんの少しほつれてはみ出している糸の端っこに気づきさえすれば、するすると解けて、ほんとうの姿が明るみに出るのに、その端っこになかなか気づけずに、前半ではすとんと納得しきれないもどかしさを感じるのである。しかしひとたび気づいてしまうと、目の前が開けて、まったく別の景色が広がるのが魅力的である。巧みな一冊である。

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