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心星ひとつ*高田郁

  • 2014/02/01(土) 17:03:04

心星ひとつ みをつくし料理帖 (角川春樹事務所 時代小説文庫)心星ひとつ みをつくし料理帖 (角川春樹事務所 時代小説文庫)
(2011/08/10)
高田 郁

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酷暑を過ぎた葉月のある午後、翁屋の桜主伝右衛門がつる家を訪れた。伝右衛門の口から語られたのは、手を貸すので吉原にて天満一兆庵を再建しないか、との話だった。 一方登龍楼の采女宗馬からも、神田須田町の登龍楼を、居抜きで売るのでつる家として移って来ないか、との話が届いていた。登龍楼で奉公をしている、ふきの弟健坊もその店に移して構わないとの事に、それぞれが思い揺れていた。つる家の料理人として岐路に立たされた澪は決断を迫られる事に―― 野江との再会、小松原との恋の行方は!?


今回は、澪に決断を迫られる場面のなんと多かったことだろう。しかも重大事項ばかり。周りの人たちはみな、ひとえに澪に良かれと考えてくれるが、そんな気持ちが解る故に、なおさら決断が難しい。それでも最後の最後は自分の心の声に従うのがいちばんだと、そのときどき、人は違うが教えられる。天満一兆庵の再興、あさひ太夫の行く末、そして澪と小松原のこと。切なくもありやるせなくもあるが、澪のしあわせは澪自身が掴みとるものだと思わされもする。ますます目が離せないシリーズである。

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