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夏天の虹*高田郁

  • 2014/02/02(日) 16:47:33

夏天の虹―みをつくし料理帖 (角川春樹事務所 (時代小説文庫))夏天の虹―みをつくし料理帖 (角川春樹事務所 (時代小説文庫))
(2012/03/15)
高田 郁

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想いびとである小松原と添う道か、料理人として生きる道か・・・・・・澪は、決して交わることのない道の上で悩み苦しんでいた。「つる家」で料理を旨そうに頬張るお客や、料理をつくり、供する自身の姿を思い浮かべる澪。天空に浮かぶ心星を見つめる澪の心には、決して譲れない辿り着きたい道が、はっきりと見えていた。そして澪は、自身の揺るがない決意を小松原に伝えることに―――(第一話「冬の雲雀」)。その他、表題作「夏天の虹」を含む全四篇。大好評「みをつくし料理貼」シリーズ、〈悲涙〉の第七弾!!


小松原と別々の道を歩くことを決意した澪である。だが、一朝一夕に割り切れるものではない。そのことが引き金となり、澪は味と匂いの感覚を失うことになってしまう。料理人としては痛恨である。つる家の面々はもちろん、又次の助けも借りて、なんとか店を開け、変わらずお客に喜んでもらってはいたが、澪の感覚はなかなか戻らない。そして悪いことは続くものである。又次が帰る日に吉原から火が出たのである。太夫を助けに入った又次は……。どれだけ頑張って、哀しい思いをすれば報われるのだろう。早く澪を安泰にしてやりたい、と思う反面、苦難を乗り越えてこその澪なのだとも思うシリーズである。

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