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舞台*西加奈子

  • 2014/03/08(土) 07:51:35

舞台舞台
(2014/01/10)
西 加奈子

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「生きているだけで恥ずかしい――。」自意識過剰な青年の、馬鹿馬鹿しくも切ない魂のドラマ!
29歳の葉太はある目的のためにニューヨークを訪れる。初めての一人旅、初めての海外に、ガイドブックを暗記して臨んだ葉太だったが、滞在初日で盗難に遭い、無一文になってしまう。虚栄心と羞恥心に縛られた葉太は、助けを求めることすらできないまま、マンハッタンを彷徨う羽目に……。決死の街歩きを経て、葉太が目にした衝撃的な光景とは――?
思い切り笑い、最後にはきっと泣いてしまう。圧倒的な面白さで読ませる、西加奈子の新境地長編小説!


折々に挟みこまれる太ゴシックが、さながらニューヨークの観光案内のようである。そこをまさにいま歩いている葉太は29歳。作家であった亡父の遺産で、一週間の予定でアパートメントに宿泊している、極度に自意識過剰の青年である。どこを歩いても、いかにもその場所らしくて恥ずかしくてたまらなくなり、そんな自分にさらに羞恥心を募らせるのである。セントラルパークで好きな作家の「舞台」という新刊を読もうとするが、そこでほぼすべてが入ったバッグを持ち去られるというトラブルに見舞われる。それからの葉太の恥ずかしくも逞しい一週間の物語である。舞台を読もうとする葉太自身が、人生という大きな舞台で果たす役割と、ほんとうの自分自身に出会う顛末に滑稽ながら親しみを覚える。誰もが、どんなキャラクターだとしても自分の人生という舞台の主役を張っているのだと思える一冊である。

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