上野池之端 鱗や繁盛期*西條奈加

  • 2014/04/28(月) 16:47:39

上野池之端 鱗や繁盛記上野池之端 鱗や繁盛記
(2014/03/20)
西條 奈加

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なぜみんな気がつかないの? 優しい若旦那の背中で口を開ける蛇の姿に――。騙されて江戸に来たお末の奉公先「鱗や」は料理も接客も三流の料理店だった。少しでもお客を喜ばせたい。お末の願いが同じ志を持つ若旦那に通じ、名店と呼ばれた昔を取り戻すための奮闘が始まった。甦った名物料理と粋なもてなしが通人の噂になる頃、お末は若旦那のもう一つの顔に気づいていく……。美味絶佳の人情時代小説。


料理屋とは名ばかり、連れ込み宿まがいの鱗やが、若旦那と幼い女中の心意気で料理番付に載るまでの料理屋にのし上がる、というだけならばいかにもありそうな物語である。そしてそれだけでも充分に面白いのだが、本作にはその裏側に鱗や自体の由緒やら、ろくでなしの旦那一家の所業やら、菩薩の若旦那とも異名をとるよく働き、客にはもちろん使用人に対する人当たりもいい若旦那の隠された顔など、さまざまな要素が織り交ぜられて読み応え満載なのである。この先の物語もぜひ読みたいと思わされる一冊である。

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