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陽だまりの迷宮*青井夏海

  • 2004/10/26(火) 20:28:53

☆☆☆・・


 生夫(いくお)は小学校三年生、姉九人・兄一人の
 十一人きょうだいの末っ子だ。
 病気で学校を休みがちの彼のまわりに起きる日常の謎・謎・謎――
 消えてしまった鉄道模型に、繰り返される無言電話、
 玄関に置いていかれた象の絵本・・・・・。
 でも大丈夫、いつも最後には下宿人のヨモギさんが現われて
 見事解決してくれるのだから。
 子どもの頃の懐かしさと切なさを、ほのぼのとした筆致で描く
 連作ミステリー、書き下ろしで登場!

                       (文庫裏表紙より)


十一人きょうだいの内、4人は父の連れ子、4人は母の連れ子、あとの3人は両親の子、という複雑な環境にいる生夫の目で語られる。
病弱な生夫の日常にポツリポツリと現われる事件は 事件とも言えないものかもしれないが それでも謎を抱えた生夫は 家族のことを想い 彼なりにあれこれと考えをめぐらすのである。しかし 所詮小学三年生の生夫のこと、考えつくことはたかが知れている。そんなところに現われて造作もなく謎を解いてくれるヨモギさんは 生夫にとってヒーローにも近いものだったのだろう。長じても懐かしく思い出すほどなのだから。
けれど、ヨモギさんは本当に下宿人のヨモギさんなのだろうか。それすらもミステリになっているのだ。じわりと瞼が熱い。

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