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邪魔*奥田英朗
- 2004/11/01(月) 21:57:01
☆☆☆☆・
狂おしいまでの孤独と自由。
奥田英朗は、やっぱり凄い。
始まりは、小さな放火事件にすぎなかった。
似たような人々が肩を寄せ合って暮らす都下の町。
手に入れたささやかな幸福を守るためなら、どんなことだってやる――
ついてねえな。
・・・・・ついてないどころじゃねえだろう。
――渡辺裕輔・17歳・高校生
夫など帰ってこなければいい。
いっそ事故で死んでくれてもいい。
そう考える自分を、少しも悪いとは思わない。
――及川恭子・34歳・主婦
自分の感情がわからない。
怒りでも、悲しみでもない。それはもしかしたら、
生きていることの違和感かもしれない。
――九野薫・36歳・刑事
(帯より)
東京都下の町・本城市に暮らす、裕輔・恭子・九野を軸に、ある放火事件が引き起こした事の顛末の物語である。
傍では何とでも言える。渦中にあっては、常識とか筋道立った考えとかいうものは 何の支えにも解決にもならないのだ、ということが ひしひしと伝わってくる。裕輔の、恭子の、九野の歩きだしてしまった道は、正しいとか間違っているとか以前の 選びようのない道だったのかもしれない。その時、その人にとっては。人が道を踏み外す時の心理が 必然すぎて怖い。
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この記事に対するコメント
これ、私にとっては、期待した以上の名作でした。
読み終えてから表紙を見たら、「邪魔」の文字が、
なんとも恐ろしいというか、まがまがしく感じられました。
TBありがとうございました。
これからもよろしくね。
邪魔という言葉
普段なにげなく使っているけれど
怖い言葉ですよね。
自分は絶対にこうはならない、と自信を持って言い切れない。
ということに気づかせられたのが
いちばん怖かったかもしれません。
お邪魔しますふらっとさん(苦笑)
TBさせていただきました。
TBありがとうございました。
何度かTBさせていただいてますが、
コメントするのは始めてと思います。
これからもよろしくお願いします。
及川恭子が徐々に落ちていく様に
なぜそんな行動を取るのかと疑問に思いつつも、
ふらっとさんが書かれている通り、
それしか選びようがなかったというのが真実なのでしょうね。
またちょくちょく拝見させていただきます。
こちらこそどうぞよろしくお願いします。
まったく、この物語は
転落してゆく人たちの心理がわかりすぎて怖かったです。