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二千七百の夏と冬 下*荻原浩

  • 2014/07/14(月) 16:56:36

二千七百の夏と冬(下)二千七百の夏と冬(下)
(2014/06/18)
荻原 浩

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紀元前七世紀、東日本―ピナイ(谷の村)に住むウルクは十五歳。野に獣を追い、木の実を集め、天の神に感謝を捧げる日々を送っている。近頃ピナイは、海渡りたちがもたらしたという神の実“コーミー”の噂でもちきりだ。だがそれは「災いを招く」と囁かれてもいた。そんなある日、ウルクは足を踏み入れた禁忌の南の森でカヒィという名の不思議な少女と出会う。


ピナイを追放されたウルクは、南の森の果てをめざし、過酷な旅をしている途中、陽の色のクムゥを倒し、何者かにさらわれて以前であったピナイの人ではない少女カヒィの住むフジミクニに連れてこられる。容貌違い、言葉も通じないフジミクニでは、暮らし方や約束事など何もかもがピナイとは異なっていて、ウルクはなかなか馴染めないが、仕事と棲家を与えられて、なんとかコーミィのことを知ろうと、奮闘する。それをピナイに持ち帰ることをまだあきらめてはいないのだった。2011年の日本では、手をつなぎ合うような二体の古代人骨の発掘が着々と進み、記者発表されることになる。二千七百年前では、ウルクとカヒィは、お腹の子と三人でフジミクニを逃げ出し、フジィを目指すが……。2011年に発掘された二体の古代人骨の事情が読者に明らかにされるとき、切なさと悔しさが胸に迫る。途方もなく壮大で、とても身近な一冊である。

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