純喫茶トルンカ*八木沢里志

  • 2014/07/21(月) 16:40:16

純喫茶トルンカ (徳間文庫)純喫茶トルンカ (徳間文庫)
(2013/11/01)
八木沢 里志

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「純喫茶トルンカ」は美味しい珈琲が自慢のレトロな喫茶店。東京の下町にひっそり佇む店には、魔法をかけられたようなゆっくりとした時間が流れ、高校生の看板娘・立花雫の元気な声が響く。ある日バイトの修一と雫が店に出ていると、女性客が来店。突然「あなたと前世で恋人同士だったんです」と修一に語りだし…。孤独や悲しみを抱えた人々の心がやわらかくドリップされていく…。ほろ苦くも心あたたまる物語。


「日曜日のバレリーナ」 「再会の街」 「恋の雫」

似たような設定の物語がいくつも思い浮かんで、どれがどれだか判らなくなりそうだが、このレトロなたたずまいのトルンカも、商店街のふと見過ごしてしまいそうな路地の奥にある、界隈をねぐらにしている野良猫に導かれなければ知らない人は入ってこないような店である。渋い中年男のマスターと高校生の娘の雫、バイトの大学生修一の三人で切り盛りしている。まさに野良猫に誘われてやってきた千夏が、修一と前世で恋人同士だったと言い始め、どうなることかと思ったが、あたたかく穏やかに解決されていくのだった。登場人物それぞれが何かしらの哀しみを抱えているのだが、お互いを思いやり、見守っていることが伝わってきて、しみじみとした心地にさせられる一冊である。

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