豆の上で眠る*湊かなえ

  • 2014/08/08(金) 16:50:34

豆の上で眠る豆の上で眠る
(2014/03/28)
湊 かなえ

商品詳細を見る

行方不明になった姉。真偽の境界線から、逃れられない妹――。あなたの「価値観」を激しく揺さぶる、究極の謎。私だけが、間違っているの? 13年前に起こった姉の失踪事件。大学生になった今でも、妹の心には「違和感」が残り続けていた。押さえつけても亀裂から溢れ出てくる記憶。そして、訊ねられない問い――戻ってきてくれて、とてもうれしい。だけど――ねえ、お姉ちゃん。あなたは本当に、本物の、万佑子ちゃんですか? 待望の長編、刊行!


小学一年生の結衣子は、二つ上の病弱な姉・万佑子ばかりが母に可愛がられていると思っていた。だが姉が読み聞かせてくれる物語はとても魅力的で、その声を忘れることができない。二人で遊んで、ひと足先に帰った万佑子の行方がわからなくなり、結衣子は戸惑い、悩み、なんとか母を喜ばせようとする。結衣子の想いが切ない。そして二年後、万佑子が不意に戻ってくる。衰弱しているとは言え、以前の万佑子とは思えず、結衣子は別人ではないかと疑いを抱くが、無条件で受け入れている母に訊ねることもできない。大学生になって思いがけず真相を知ることになるのだが、それは驚くべき内容だった。いくら成長期の子どもとは言え、たった二年間で別人のようになってしまい、それをすんなり受け入れるというのはいささか不自然な気がするし、小学生とは言え妹の結衣子に何の説明もないのも不自然に思われる。そしてなにより、二年間行方知れずになっていた万佑子の決断が不可解に思えてしまう。ずっと家族と信じて過ごしていた家に帰りたいと思わなかったのだろうか。真実がわかってしまうとあれこれ腑に落ちないこともあるが、そこにたどり着くまでのドキドキ感は見事な一冊だった。

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事に対するコメント

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する