遊佐家の四週間*朝倉かすみ

  • 2014/08/10(日) 16:49:33

遊佐家の四週間遊佐家の四週間
(2014/07/24)
朝倉かすみ

商品詳細を見る

美しく貧しかった羽衣子、不器量で裕福だったみえ子。正反対の二人は、お互いに欠けているものを補い合って生きてきた。だが、羽衣子は平凡だが温かい家庭を手に入れる。穏やかな日々は独身のみえ子が転がりこんできたことから違った面を見せ始める…。家族のあり方を問う、傑作長編小説。


貧しく育ったが美貌を持った羽衣子は、美しくはないが男らしく頼りがいのある賢右と結婚し、穏やかな家庭を手に入れた。夫に似た娘のいずみと自分に似たが暗い息子の正平と何不自由なく暮らしていたのだった。そんなとき、家をリフォームする四週間、羽衣子の幼馴染のえみ子が遊佐家にやってくることになった。お世辞にも美しいとは言えない個性的なえみ子の容貌に、初めはみな驚くが、なぜか次第に受け入れていく。それぞれがそれぞれなりにえみ子と関わっていくのが興味深いが、初めから終わりまでなんとなく腑に落ちない心持ちにさせられるのもまたみえ子なのである。なんといったらいいのか、生きている尺度がほんの少しばかり一般的ではない感じ、という感じだろうか。読んでいる間中、誰に寄り添えばいいのか判らず釈然としないながらも目が離せない一冊だった。

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事に対するコメント

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する