すべて神様の十月*小路幸也

  • 2014/08/12(火) 16:35:42

すべての神様の十月すべての神様の十月
(2014/06/21)
小路 幸也

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榎本帆奈は驚いた。金曜日の夜、行きつけのバーで隣り合ったハンサムな男性は、死神だったからだ。帆奈に召喚されたという死神は、いままで一度も「幸せ」を感じたことがないらしい。なぜなら「幸せ」を感じた瞬間、死神は…(幸せな死神)。池内雅人は貧しかった。貧乏神に取り憑かれていたのだ。ツキに見放された人生だったが、そんな人生を自ら「小吉人生」と称して楽観視していた。一方、貧乏神には雅人に取り憑かなければならない“理由”があった。なぜなら雅人が並々ならぬ…(貧乏神の災難)ほか、4篇。神様たちの意外な目的が胸を打つ短篇集。


「幸せな死神」 「貧乏神の災難」 「疫病神が微笑む」 「動かない道祖神」 「ひとりの九十九神」 「福の神の幸せ」

出雲のお話しかと思ったらそういうわけではなかったが、さまざまな神様が主人公の緩い連作物語である。神様にも役割分担があって、それぞれの領分を犯すことはできないが、横のつながりが全くないわけでもなく、人間っぽかったりするのがちょっと可笑しい。そして、一般的なイメージと違って、人情味豊かであり、人の味方のような存在でもあるようなのだ。神様の主人公も、人間の主人公も、それぞれ愛すべき人たちで、読後にとても優しい気持ちになる一冊である。

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