胡蝶殺し*近藤史恵

  • 2014/08/19(火) 16:32:30

胡蝶殺し胡蝶殺し
(2014/06/20)
近藤 史恵

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歌舞伎子役と親同士の確執を描くミステリー

「美しい夢ならば、夢の中でも生きる価値がある」
『サクリファイス』で大藪春彦賞、第5回本屋大賞2位を獲得した、近藤史恵氏が長年温めてきた、歌舞伎の子役を主人公にしたミステリー。
市川萩太郎は、蘇芳屋を率いる歌舞伎役者。花田屋の中村竜胆の急逝に伴い、その息子、秋司の後見人になる。同学年の自分の息子・俊介よりも秋司に才能を感じた萩太郎は、ふたりの初共演「重の井子別れ」で、三吉役を秋司に、台詞の少ない調姫(しらべひめ)役を俊介にやらせることにする。しかし、初日前日に秋司のおたふく風邪が発覚。急遽、三吉は俊介にやらせる。そこから、秋司とその母親由香利との関係がこじれていく。さらに、秋司を突然の難聴が襲う。ふたりの夢である「春鏡鏡獅子」の「胡蝶」を、ふたりは舞うことが出来るのか…?


内容紹介にはミステリ、とあるし、ある意味ミステリと言える部分もあるが、一般的なミステリとはひと味違う物語である。梨園という一般人にはなかなか理解の及ばない世界に生きる子どもたち。いずれ名を継ぎ、大舞台に立つために、ほかの同級生たちとはいささか違った日々を送る幼い者たちであるが、親たちの思惑とは別に、彼らにも興味や喜びや悲しみがあるのである。6~7歳の子どもだからと言って侮ってはいけない。ある時は大人よりも深くものを想っているのである。俊介と秋司、そして彼らを取り巻く大人たちの後悔と希望の一冊である。

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この記事に対するコメント

いやぁ、素晴らしかったですね
デヴュー当時から心理描写のうまい人でしたが
この作品では、登場人物同士の距離感や緊張感が
歌舞伎という特殊な世界観も相まって
実に読みごたえがありました
近年、正直言ってロードバイクシリーズ以外は
あまりばっとしなかった近藤さんの新境地を堪能しました

  • 投稿者: チョロ
  • 2014/08/19(火) 17:23:59
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やはり、好きなものには深い思い入れがおありなのでしょうね。
今作は、なんといっても二人の子役のキャラクタが秀逸でした。
子どもって、無限の可能性を秘めているのだなぁと思わせてくれました。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2014/08/19(火) 18:12:32
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