夏美のホタル*森沢明夫

  • 2014/09/06(土) 07:10:04

夏美のホタル夏美のホタル
(2010/12)
森沢 明夫

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山奥に忘れられたようにぽつんとある、小さくて古びた一軒の店「たけ屋」と、そこで支え合うように暮らしている母子、ヤスばあちゃんと地蔵じいさん。ぼくと夏美は、夏休みの間ずっと「たけ屋」の離れで暮らしてみる―という、なんとも心躍る展開になったのだけれど…。誰かを想うこと誰かの幸せを願うこと。切なくて、あたたかい、心の故郷の物語。


実在の店と人物がモデルなのだそうである。物語と同じ、通りがかりにトイレを借りたのが縁で親しくなったそうである。そこから始まる物語は、都内から車で三時間ほどの場所とは思えないほど自然豊かで、人の知恵でいくらでも愉しく豊かに暮らせるところなのだ。夏美と慎吾の若者二人も、そうやって日常の様々なことを身をもって学びながらひと夏を「たけ屋」の離れで暮らす。その夏は、夏美と慎吾にとっては特別な夏だったが、ヤスばあちゃんや地蔵さんにとってもまた特別なひとときだったのだと、あとになってしみじみ想う。目を閉じると、その夏の風景が鮮やかに浮かんでくるような一冊である。

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